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GPSでのVCSの利用

cvs00.jpg

目次:
・まえがき
・GPSにおけるVCS関連のツールのインストール
・Subversionの作業ディレクトリの作成まで
・GPSでのバージョン管理



<<<まえがき>>>
今回は,これまで放置してきたGPSのバージョン管理システム(以降,VCS)の使い方を説明します.
このバージョン管理システムを一通り使えるようになるまでに,かなりの時間が掛かりました.

・バージョン管理システムとは
バージョン管理システムとは,コンピュータ上で作成,編集されるファイルの変更履歴を管理するためのシステム.(Wikipedia)
だそうです.

CVS や Subversion がよく知られていると思います.


・バージョン管理システムを使用する目的
VCSの最も重要な目的は,以前のファイルとの差分をすべて保存することです.
しかし,ただ差分を取ることが目的ではありません.
VCSを利用する利点はおおまかに以下の2点があります.
1.バージョンごとにその差分を保存することで,任意のバージョンに戻すことができる.
2.複数の開発者でソフトウェアの開発を行う際に,ソースコードやドキュメントを管理するのが容易に行える.

VCSに関しては,様々なソースがありますのでそれらを参考にしてください.


・今回使ったVCS
Subversion
理由は,普及率の高さゆえ情報が豊富にあるため.


<<< GPSにおけるVCS関連のツールのインストール >>>
本章は,Windowsの場合のみ必要です.Macでは予めインストールしてあるのでこの項目は無視していただいても問題ないです.

Subversion のインストール(必須)
svnコマンドをWindows上で起動するために必要です.

diffコマンドのインストール(任意)
svnの機能で各バージョンごとに差分を表示する時に必要となります.
GPSで差分を表示する際に大変便利です.

TortoiseSVNのインストール(任意)
リポジトリの作成やチェックアウトといった操作をGUIで行うことができます.
毎度,コマンドプロンプトからsvnを実行する必要がないので,インストールしておいて損はないと思います.



Subversion のインストール
Subversionは公式サイトから手に入ります.Windows版はココから入手できます.
自分は,SilkSVNを利用していますが,どれを使用してもそれほど変わりはないと思います.
32bit版と64bit版のうち,自分の環境に合ったものを選択してください.
インストールの方法に関しては,インストーラの指示に従えば問題ないです.
その後,コンピュータの管理から環境変数を開いてPathを編集してください.
パスにはインストール先のバイナリフォルダ(bin)を追加してください.


diffコマンドのインストール
Windows版のdiffコマンドは,GnuWinからダウンロードできます.
Packages”Diffutils”の項目にSetupという項目があるので,そこからインストーラをダウンロードします.
このインストールに関しても,インストーラの指示に従えば問題ありません.
その後,コンピュータの管理から環境変数を開いてPathを編集してください.
パスにはインストール先のバイナリフォルダ(bin)を追加してください.


TortoiseSVNのインストール
TortiseSVNの公式サイトはこちらです.
最新の安定版はココから入手できます.
32bit版と64bit版のうち,自分の環境に合ったものを選択してください.
インストールの方法に関しても,インストーラの指示に従えば問題ないです.



<<< Subversionの作業ディレクトリの作成まで >>>
GPSでVCSを使うより先に,管理対象となるフォルダとそのリポジトリ,さらには作業ディレクトリを作成する必要があります.

・管理対象となるフォルダの作成
まず,適当なフォルダ(今回はAdaというフォルダ)内に管理対象となるフォルダ(バージョンを管理したいソースコードを入れておくフォルダ)を作成します.
名前は何でもいいですが,今回は”Origin”とします.
つぎに,この”Origin"フォルダ内にHelloWorld.adbというファイルを作成します.
HelloWorld.adbの中身は適当でいいのですが,一応下にサンプルを書いときます.

--HelloWorld.adb

with Ada.Text_IO;
use Ada.Text_IO;

procedure HelloWorld is
begin
put("Hello World.");
end HelloWorld;

ここまでのフォルダとファイルの構成は以下のようになっています.

-- Ada ---- Origin ---- HelloWorld.adb


・リポジトリの作成
まず,リポジトリとなるフォルダRepoを作成します.
ここからは,TortoiseSVNとコマンドプロンプトで行う場合が異なりますが,ソースは他にもあるのでTortoiseSVNを使用する場合のやり方でのみ記述します.
Repoフォルダを右クリックし,メニューの中の”ここにリポジトリを作成”という項目を選択します.

cvs03.jpg


・インポート
リポジトリに管理対象のフォルダ(Origin)をインポートします.
Originフォルダを右クリックし,メニューの中の”インポート”という項目を選択します.

cvs05.jpg


このとき,"リポジトリのURL"には以下のように頭に"file:///"を付けた絶対パスで指定してください.

file:///C:/Users/username/Ada/Repo

また,インポートメッセージには"Initial import."など,適当なメッセージを記述しておくと後々便利です.

cvs06.jpg


これで,Origin内のファイルがリポジトリにインポートされました.

ここまでのフォルダとファイルの構成は以下のようになっています.

-- Ada ---- Origin ---- HelloWorld.adb
|
+--------- Repo ------ Origin



・チェックアウト
作業ディレクトリにリポジトリからファイルをチェックアウトします.
チェックアウトする先のフォルダを右クリックし,メニューのチェックアウトを選択します.

cvs08.jpg


このとき,リポジトリのURLが先ほどのリポジトリと同じURLになっているかを確認してください.

cvs09.jpg


ここまでのフォルダとファイルの構成は以下のようになっています.

-- Ada ---- Origin ---- HelloWorld.adb
|
+--------- Repo ------ Origin
|
+--------- Work ------ HelloWorld.adb


以上で,下準備が終了です.



<<< GPSでのバージョン管理 >>>
・GPSで管理対象のファイルを開く
やり方はいろいろありますが,基本となるポイントは以下の二点です.

1.管理対象のファイルは既にリポジトリからチェックアウトされたファイルでなくてはならない.
2.Windows版のGPSの利用では,必ずプロジェクトのVCSの項目で"Windows Subversion"を選択しなくてはならない.

1に関しては,管理対象のファイルはリポジトリからチェックアウトされているものなので蛇足かもしれません.
しかし,自分は最初GPSからインポート,リポジトリの作成,チェックアウトのすべてがGPSで行えるという勘違いをしていたのであえて書きました.(> <)

2に関しては重要です.Windows版のGPSでのSubversionの利用方法は大まかに二種類あり,一つは前述のWindows OS自体にインストールしたものを利用するものと,Cygwin内のSubversionを利用する方法があります.GPSで明示的に設定しない場合,自動的にCygwin用のSubversionを利用しようとしてしまい,うまく動作しません.そこで,プロジェクトの作成後(作成時)に,Windows版のSubversionを使用することを明示します.

メニューバーから"Edit Project Properties"を選択します.

Project -> Edit Project Properties
cvs20.jpg




・GPSで管理対象ファイルをコミットする
管理対象となるソースコードを開いて,右クリックで表示されたメニューからCommitを選択します.

ソースコードを右クリック -> Version Control -> Commit(via revision log)
cvs14.jpg

次に,変更点に関してのログを書いておきます.
このログは書かなくても問題ありませんが,後々のことを考えると書いておくほうが無難だと思います.

ログを書いたら,実際にコミットします.
(※今回は,7行目を追加したので,"Insert "Good-bye" message."というログメッセージを記載しました.)
この,ログメッセージの画面で

ソースコードを右クリック -> Version Control -> Commit(hello.adb)
cvs15.jpg


以上で,コミットができてるはずです.
ちゃんとコミットできているか確認します.
先ほどの,hello.adbのソースファイルを選択し,

ソースコードを右クリック -> Version Control -> Query status
cvs11.jpg


cvs16_5.jpg

最初は1だったhello.adbのリビジョンが,一つ上がって2になっています.



・GPSで管理対象ファイルの変更点を確認する
ソースファイルを変更した後とする前で,どのような変更があったのかを確認することができます.
実際には最初にインストールしたdiffコマンドを使い,どのような変更があったのかを比較してその差分を表示することを,GPSが簡単に行ってくれます.

VCS Exploreのウインドウを開き,
差分を見たいソースコードを右クリック -> Compare against other revision
cvs17.jpg

これは,今のリビジョンと指定したリビジョンを比較します.
今回の場合は,リビジョン1と比較をします.
cvs18.jpg

結果は,以下のように変更前と変更後の差分が表示されます.

cvs19.jpg



よく使う機能のみに絞って紹介しましたが,他にも細かい機能があるので是非使ってみてください.
今回は,以上です.
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テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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